新横田基地公害訴訟団ニュース

第39号  (2001年10月3日)
勝利判決めざし 心の準備と行動を
              
裁判、運動の成果を確認しあおう
訴訟団幹事会は去る8月25日(日)立川女性センター・アイムで今後の運動方針について丸一日かけて討議しました。
討議には幹事及び弁護団あわせて15名が5年間の運動と裁判の経過を振り返り、運動の成果と今後の運動方針を確認し、これらを訴訟団全体が共有していくことにしました。
「静かに夜ねむりたい」「子供たちが安心して暮らせるようにしたい」「静かな環境で勉強したい」など、人間として当然の生活環境を実現させるために訴訟を始めた私たち原告の思いは、いま裁判所が書いている判決によって左右されることになります。
したがって、原告一人一人が訴訟の原点、初心に立ち返り、それぞれができる範囲で行動を起こすことが必要です。
判決を書いているこの重要な時期「被害救済を求める」原告の署名、支援くださる方々の署名をひとりでも多く裁判所に届けていきましょう。
そして「秋のつどい」に原告が参加するとともに、隣人、知人、友人に呼びかけ交流・支援の輪を広げ成功させていきましょう。
同時に、いままでの運動の成果と今後について訴訟団全体が共有していくために、各支部ごとに交流会・説明会を行います。
どのような状況にも対応できるよう、また、原告の心が一つになって進んでいけるよう、内容の理解を図りたいと思いますので、必ずご参加くださいますようお願いいたします。


これからの運動
弁護団事務局長  吉田 栄士
7月27日の結審法廷から2ヶ月たちました。「勝利の判決を待つ」というのがこの時期ですが、ただ待っているだけでは勝利を呼び込むことはできません。
これまで以上に勝利判決署名を広げる必要があります。
今、裁判所は様々な視点からどのような判決にするか検討しています。皆さんの被害救済という強い思いは裁判所に伝わっています。これまでの結審法廷を筆頭とする裁判、検証を通じ、皆さんの真剣な態度は理解されています。
しかし、判決を書いている今、皆さんの切実な思いを伝えるため、原告の署名、支援の署名を多く集め、裁判所に届けることが大切です。 また、勝利判決のために、この多摩地域が一丸となっていることを示すためにも「秋のつどい」を成功させることが大事です。運動の集大成として「秋のつどい」を成功させましょう。
この秋から、弁護団・訴訟団の幹事さんたちと皆さんとの交流会・説明会を各地域でもとうと予定しています。
これまでの裁判、運動の成果、裁判の今後、その他様々なことについて、話し合い、確認しあおうと思っております。 これまで私たちは、国とアメリカに対し、堂々と自分たちの権利を主張し、地域環境の改善を求めてきました。このことをあらためて確信する必要があると思います。今後どうしていくかは、その確信を土台として論ずるべき問題だと思います。
判決が出された場合、考えなければならない問題として「控訴」の問題があります。この裁判の目的は、生活環境を改善することです。人間にとって当たり前の要求である「静かに眠れる夜」を取り戻すことです。
裁判所がどこまでこの要求を認めてくれるのか、国の態度はどうか、損害賠償は認められるのか、国は黙って支払うかなど、判決の内容については様々な問題点が出てきます。相手は国です。こちらが勝利をしても黙っているとは思えません。
どのような判決であっても、一審だけで決着がつくことはないでしょう。
そのときは、控訴審が待っています。控訴審も勝利しなければなりません。控訴のことも皆さんとの交流会・説明会で話し合おうと思います。
控訴審に望むためには、あらためて「訴訟委任状」が必要になります。 判決が出されたら、引き続きその内容についての説明と訴訟委任状を集める作業も必要になります。
この秋からは順次皆さんと話し合い、確認しあう機会をつくります。
ぜひ、ご協力をお願いいたします。これからも、弁護団、訴訟団一丸となって、裁判勝利と生活環境の改善を求めて頑張っていきましょう。


広げよう 咲かせよう 交流・支援の輪・わ・わ
〜10.21 明るく 楽しく〜

判決目前の「秋のつどい」に向けて、各支部の取り組みが急ピッチで進んでいます。  訴訟団の原告皆さんが集まって、支援してくださる多くの人たちと交流・交歓する場です。
ひとりでも多くの方に参加を呼びかけ、成功させるためにぜひお力をお貸し下さい。
<福生支部> 知恵を出し合い、力を出し合い
9月16日、日曜日、6人が集まってポスターの裏打ちをしながら、模擬店の出し物をいろいろ話し合って、焼きそばと鉄板焼き鳥(手羽焼き)を決めました。
「参加70人の目標をどうするか」「たいへんだな」「その日に町会の芋煮会も予定されているし・・・」「二つの会場がそれほど離れていないから両方に参加してもらおうか」など、いろいろな知恵を出し合いました。
とにかくこれからポスターを貼ろう、二、三日のうちにチラシも配ろうと地域を分担して、一回目のポスター貼りに出かけました。

<瑞穂支部> 大勢の参加で成功を 今年もおいしいよ
昨年、瑞穂支部は「だんご汁」と「甘酒」のお店を出しました。皆さん初めての取り組みだったのでかなりてんてこ舞いでした。
でも「楽しかった。またやりたい」「もっと多くの人を誘ってこよう」などの声も出されました。
今年もだいたい同じような「商品」で出店するつもりです。
参加者を募る取り組みもがんばっています。
原告の勤め先の職場や地域の宣伝も行っています。「横田平和まつりにはいつも参加していた。ぜひ行きたい」(小平Tさん)という人もいて、大いに励まされています。
通勤で八高線を利用している原告Sさんも「毎日基地の中を通っている。勝利判決めざし、まつりを成功させよう」と語っています。

<昭島支部> 地域実行委員会が発足 ますますカラフル
秋のつどいを成功させようと、出店の出し物を10品目以上にするよう地区別に計画を進めています。
また、昭島支部だけでなく昭島市内にある労働組合や婦人団体、文化団体などに地域実行委員会参加を呼びかけ、9月13日に昭島支部を含め四団体が参加して企画について前向きな検討ができました。
参加した2団体が出店について検討を約束、9月30日(日)ポスターの張り出し、10月14日(日)の宣伝行動(チラし配布)に要員派遣を引き受けてくれました。 当日参加できなかった団体からも出店やポスター貼りだし、チラし配布に協力の返事が来ています。

<日野支部> マイクロバスをチャーター
日野支部では、今回の「秋のつどいに」原告の皆さんに参加を呼びかけながら、当日への取り組みを進めています。
日野市から会場までは交通が不便ですので、みんなで参加できるよう、マイクロバスを出すことにしました。
また、テントでの出店もいま検討中ですが、有意義な企画にしたいと相談しています。
判決を前にしてのつどいになり裁判の経過を知るためにも絶好の時期ですし、上空を通過する米軍機の爆音が同時多発テロへの軍事報復と重なり関心も大きくなっています。
バスを満席にして参加したいと思っています。

支部だより
<八王子支部>
「意気高く、粘り強く、楽しく」
世話人  良岡 千春
皆さんこんにちは。「意気高く、粘り強く、楽しく」のスローガンを掲げて頑張っている八王子支部です。
八王子支部も初めの頃は、騒音区域内に該当する市民への宣伝や原告団を組織する等の活動は、広範囲ということもあり厳しい状況でした。
しかし、旧訴訟団に呼びかけかられた町会や、自治会が自らを軸とした基本の活動を地道に進めたことで、次々と原告に参加する人がふえ、たくさんの原告を抱える支部となりました。
毎月の世話人会が欠かさず行われ、常時10数名の元気な顔がそろいます。
この世話人会には、八王子担当の松浦弁護士も毎回参加され、裁判の経過や、その時々の取り組みなどが話し合われ、季節の折り目には、交流会も行われます。
また、現場検証や昨年の「秋のつどい」などには町会や自治会の皆さんが協力をおしまず八王子支部を盛りたてています。
旧訴訟団の皆さんが、18年間を費やして勝ち取られた裁判を引き継いだ今訴訟は、5年あまりで結審がなされ、判決を待っています。とはいえこれからが正念場ですね。
「静かな夜を取り戻したい」というおもいをひとつに勝利の日まで頑張りたいと思います。 
八王子から生まれた一編の詩におもいを寄せながら。

詩 八王子支部 野村 康子
「だきしめるなら星ほどの夢」 

  だきしめるなら 星ほどの夢
  どこまでも広がる空に
  願いをこめて

 先生のおうたが ちゃんと聞こえるように
 窓がビリビリ鳴らないように
 こわくて 頭をかかえなくてもいいように
    空が 空のままで
    夜が 夜のままで
 みんながみんなのままで いられるように
    夢を求めて生きられるそんな世界を
    夢を求めて生きられるそんな世界を

  だきしめるなら 星ほどの夢
  どこまでも広がる空に 願いをこめて
  どこまでも広がる空に 願いをこめて

<福生支部>
訴訟団幹事交代
     小俣さん、ご苦労様でした
旧訴訟団の福生の幹事として頑張り、新訴訟団の組織作りにも力を尽くして頑張ってきましたが、この夏頃から体調を崩しました。 とりあえずちょっと休養します「回復に心がける。元気になったら、また幹事として訴訟団のお役にたちたい」と笑いながら話していました。
福生支部の新しい幹事には、快く引き受けてくれました御供所弘人さんを紹介します。
明るい性格です。面倒見の良い人です。器用な何でもできる人です。
幹事会に新風を吹き込んでくれると思います。
福生支部としても心強い限りです。よろしくお願いします。 


<昭島支部>
昭島支部の新幹事に『金澤祐三さん』
旧訴訟の幹事として、また、新訴訟の昭島支部幹事として長期にわたり活動してきた吉岡正美さんが仕事多忙のため、このたび退任することになりました。長い間たいへんご苦労さまでした。
なお、吉岡さんにはたいへんですが、引き続き昭島支部の世話人(会計)の仕事をしていただくことになっています。
新たな幹事には、昭島支部の世話人でもあり、南部地区の代表世話人をつとめる金澤祐三さんが就任していただくことになりました。
金澤さんは今春定年を迎えましたが、後輩の良き助言者となって引き続き働いています。
また、地域では、公社住宅団地の自治会長を歴任し、現在も何かと多忙を極めていますが、訴訟の重要性と裁判の今後を考え、運動全体に責任を有する幹事の役を引き受けて下さいました。
性格はまじめながら開けっぴろげで、面倒見がよく、物事を大局から考え行動する貴重な人材です。どうかよろしくお願いします。


「静かな夜」を取り戻すため 日々の怒りが原動力に
昭島支部  赤松 正一
私は横田基地の南3キロメートル地点、昭島市の騒音測定小屋のすぐ北側に住んでいます。
『電話の声が聞こえない』『テレビの画面がゆがみ、音が聞こえない』『夜は爆音でよく眠れない』などの悩みと『静かな夜がほしい』というのが希望です。
悩みの原因が日本国の思いやり予算で保護されているアメリカの戦闘機・輸送機がもたらすものだという、それに対する怒りを込めて、旧訴訟(第三次原告)から裁判に参加しました。
旧訴訟の高裁では証人として立ち、自分の気持ちを込めた歌と要求を主張してきました。
それでも、依然として事態は変わらず、5年前の新訴訟団結成の時にも積極的に原告として参加してきました。
第一審(地裁)は過日7月27日に結審しましたが、この間、国側の原告一人一人に対する嫌がらせの行為や生活を無視した発言に憤りを感じています。
年末から年明けには判決が出されるかもしれません。
どんな判決なのか、これからどうなっていくのか不安はないと言ったら嘘になるが、とにかく、私たちの要求に沿った判決が出されるように運動をしていきたいと考えています。
何より初めの怒りを新たにして、高裁にその場が移っても、6000人もの原告の皆さんとともに行動する意味をかみしめ「静かな夜を取り戻す」まで微力ながらも力を出していきたいと考えています。


原告の皆さんの勝利は 私たちの幸せに つながります
昭島市武蔵野在住  下渕  和代
1984年、横浜から昭島に転居し、しばらくして横田基地の存在を知った。
現地見学の時はほとんど日曜日で飛行機の音もなく、住み易そうな所と思っていただけに、黒い大きな機体と轟音を聞いたとき、初めて基地のある町なのだと気がついた。
昭島駅近辺のスーパーに買い物に行くたび、巨大な機体の鋲が一つ一つ数えられるくらいに低空で飛んでくる米軍機に恐怖を感じた。未だ、幼かった子供は、上を見つめたまま呆然として身体を硬直させていた。「この飛行機の下で暮らしている人はよく我慢しているなあ」と正直思った。
その後、この飛行機の騒音を止めてほしいと裁判が行われていることを知り「なーんだ。騒音止めて。我慢できないと声を上げている人たちがいっぱいいるんじゃない」とうれしくなり、私もと思った。ところが、被害を訴える区域があって、我が家は区域の外で訴訟に加わることができないとわかり「どうして?電話が聞こえないことがあるのに、朝からエンジン音で起こされるのに。我が家の近くを戦闘機が飛びまくっているのに。なんで?」とがっかりした。おもわず被害区域を今すぐに広げてと言いたかった。
横田基地の騒音被害は指定区域の中だけではない。昭島の市民すべてが、直接的・間接的に被害を被っている。
「静かな夜を返してほしい」のは訴訟団の原告になられた方たちだけの願いではない。昭島に住む人、基地周辺に住むすべての人の「静かな夜」を手に入れることができるんだと思っている。
一日も早く国が被害を認め、米軍機の飛ばない空を取り戻すことができることを切に願っている。


横田基地あれこれ
▽今年3月から、来年7月までの予定で滑走路改修工事が進められています。これは滑走路の舗装面の老朽化が進み亀裂が生じているため、航空機の安全確保のために日本の予算で行われています。また、この10月からは滑走路を半分閉鎖して工事を行うため、C-21が4機、厚木基地へ、C-9が4機、嘉手納基地へそれぞれ人員とともに一時移動します。

▽「防災の日」の9月1日に行われた東京都の防災訓練の一環として、横田基地が使用されました。
石原知事は「敗戦以来、初めて日本人が横田基地を使った。日米関係のためにも良い実験をやった」と、横田基地を使ったことを強調しました。

▽9月24日、羽村市神明台4-5-9菊池プレス羽村第二工場に、米軍機C-17から部品が落下。工場の屋根が破損しました。
まかり間違えば、大事故につながるとし、「横田基地に関する東京都と周辺市長連絡協議会」は27日、横田基地司令部と外務省、防衛施設庁に対し、正確かつ詳細な情報を提供するよう、事故防止対策を徹底するよう、抗議しました。


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