新横田基地公害訴訟団ニュース

第38号  (2001年8月10日)
大成功だった「結審法廷」
弁護団事務局長  吉田 栄士
7月27日の「結審法廷」は大成功でした。何が大成功だったかと言うと、「静かな熱気」が2時間の間あふれていて、気品のある裁判だったからです。
傍聴席は満杯でした。傍聴席のうち報道席、一般席を除いた原告席、これは入れ替えを認めてもらいました。その混雑も懸念されていましたが、見事に的確になされました。
陳述2時間、原告の要望と主張を、17人が代表して代わる代わる述べました。事前に裁判所に「陳述内容の時間予定表」を渡してありましたが、一分のくるいもなく、予定通りに終了させることができました。
まず、今年米寿の森川金寿名誉弁護団長、次いで榎本信行弁護団長、原告団からは大野芳一代表幹事、八王子の良岡千春さん、福生の針生栄子さん、瑞穂の岡口明さんの4人に述べてもらいました。
満員の法廷で話す事は大変緊張するものですが、皆さん、代表として堂々と被害の苦しみをご自分の体験を通して述べられました。
応援陳述は、小松基地、嘉手納基地、厚木基地の各弁護団、そして公害弁連からは西村隆雄事務局長、いずれも簡潔、的確な指摘でした。
弁護団からは7人が、今回提出した最終準備書面の内容を簡潔に述べました。
「静かな熱気」と言いましたが、法廷の熱気というのは、整然としていてもあふれてくるものだなと感じました。全席がうまっているのに、傍聴席からは無駄な話や動きはありません。真剣な眼差しが陳述者に注がれています。物音ひとつないのに、緊迫した雰囲気が2時間絶えることはありませんでした。これは本当に見事だったと思います。
これに対して、国側はだらけていました。国側代理人が20人近く出席するというので、傍聴席も3席準備したのですが、結局人が来ず代理人席もがらすきで、とてもこの大切な裁判を勝とうという姿勢は見受けられませんでした。
この法廷風景ひとつ見ても、この裁判は私たちが圧倒しています。最後の法廷はその象徴的なものでした。
「判決」期日は、この日に決められず、裁判所から指示がくることになっています。勝利判決を得るためには、この夏、秋の運動が勝負です。これからも力を抜く事なく最後まで頑張りましょう。


「結審」を終えて
代表幹事  福井 弥助
思えば5年半前の4月に提訴した時の事が目に浮かびます。今回の裁判の特徴は、何といっても国と共にアメリカも被告として訴えた事でした。
対米訴訟は、只今最高裁で審理中のようですが、中味はさっぱり見えてきません。アメリカが応訴の意志がないので審理に入れないというのが実情のようですが、そもそも「支配の及ばない第三国の軍隊」という表現で判断を避けたのは誰だったのか?
最近沖縄でまた痛ましい少女暴行事件があり、もたもたした当局の対応は目を覆うばかり。
地位協定の改定すらできないようでは果たして独立国家といえるのでしょうか。
国の代理人は裁判の始まった当初、判決に賠償が認められた場合、強制執行をしないよう裁判所に求めました。
これは榎本先生もいわれたように、巌流島で小次郎が刀の鞘を投げ捨てたのと同じで、すでに敗けを覚悟していたからに外なりません。
だから国は、「危険への接近論」と「住所の確認」にこだわり、重箱の隅をつつくような事ばかり。挙げ句の果ては、住民票まで信用できないと言い出す始末。何をか言わんやです。
私たちの求めているのは「せめて夜だけでも静かに眠らせてほしい」という最低の要求です。何でこれを国は認めないのか!
私達は、他の基地訴訟の方々ともがっちりスクラムを組んで、正々堂々と勝利判決をめざして頑張りましょう。


結審ー勝利判決へスタートの日
事務局長  遠山 陽一
その日は早朝から始まった。机、のぼり旗、横断幕などを準備して原告らを待つ、各支部からの要員たちの顔には心なしか緊張が見える。
NHKの撮影があり、開会時間を急遽早めた決起集会に遅れまいと参加者は足早にやってきた。
訴訟団代表の、弁護団、応援弁護団の方々の、労働組合代表の決意と励ましの挨拶が続く。深くうなずきながら聞く参加者の顔、顔、顔。交代制にしても傍聴席に座りきれないほど集まってくれた原告たち。
さあ、入廷だ。約200名の隊列はたすき、横断幕を掲げ、裁判所へ整然と進む。
そして、静かな熱気の中での最終陳述を傍聴。
正午過ぎ、結審日の締めくくりである報告集会の会場へ、もうひと踏ん張りと力強く歩いた。
会場は、椅子もスリッパも足りないほどぎっしりつまり、勝利判決への決意があふれていた。
提訴から5年余、本当に多くのご協力、ご支援をいただいた。原告も百名以上が亡くなった。これらの方々の思いを受け継ぎ、勝利までがんばる決意である。


広げよう 咲かせよう 原告の輪・支援の輪
〜 第2回新横田訴訟の勝利をめざす秋のつどい〜
皆さん暑さにめげず、健康してますか?
長かった新横田訴訟も審理の終結(結審)があり、いよいよ年内判決に向けいっそう広く、多くの人たちに理解と支援と支持を求めることが重要となってきました。
今年の「つどい」(10月21日)は、すぐ後に念願の判決が見込まれますので、さらに多く人たちを迎え入れ、勝利判決の実現へ原告の輪、支援の輪をさらに広げていきたいと思います。
そこで、伝統文化の和太鼓やパントマイム・コーラス・バンド演奏など心和む文化行事で、また、訴訟団各支部からの手作りの各種出店やバザー、野菜の産直販売などを通じて交流を深めていきたいと思います。
さらに恒例の横田基地めぐりの実施と、舞台では他の空港騒音訴訟の人たちや、韓国での騒音訴訟の報告など全国的、国際的な連帯の場にしていきたいと考えています。 どうか各支部の創意と工夫で参加を呼びかけ、「秋のつどい」を盛り上げ、心豊かな楽しいものにしていきましょう。  


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