新横田基地公害訴訟団ニュース
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第41号 (2002年1月28日) |
『迎春』 判決の年 |
代表幹事 福井 弥助 |
明けましておめでとうございます。
団員の皆さま、並びに弁護団の先生方には、いよいよ御健勝で良いお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
今年こそはいい年になってほしいと願っていますが、はたしてどんな年になるでしょうか。
「めでたさも
中位なりおらが春」
これは俳人一茶の句ですが、まあ、そこら辺か、それ以下でしょう。
我が訴訟も昨年7月の結審を終え、たぶん本号がお手元に届く頃には本年度内の判決期日も確定していることでしょう。
おのおの、その分を尽くしてきましたので、後は明鏡止水。裁判所の「良心」と「正義」を信じて請求通りの判決が出ることを期待しましょう。
また、昨年は9月に突然勃発した米国の同時多発テロに始まり、狂牛病、えひめ丸事故、炭疽菌騒動など暗いニュースばかりでした。特にテロは世界中を震撼させたのみならず得体の知れない戦争へと突入し、現在も継続中です。
また、他方、中東地域やフィリピンなどまでその戦禍はおよびそうです。
これもひとえに南北問題、貧富の差、宗教、宗派、民族の対立等などに遠因があるにせよ、人間の業の深さみたいなものを感じざるを得ません。テロは絶対に撲滅すべきであり、決して報復の論理だけでは片づくものではないでしょう。
元来、主権国家の国土に他国の軍隊が駐留し続けること自体が異常であり、これを放置している方もどうかしている。日米安保もいつまでも続かないでしょうが、日本も土下座外交一辺倒をやめて、腰を据えて考え直すべき時にきているのではないか。
音源対策の根本は案外ここらへんにあるのかもしれない。だから最高裁は判断できないのではないでしょうか。
馬(午)を
華山の陽に帰し
牛を桃林の野に放つ
「書経武成扁」より
右の語から目に浮かぶのは、うららかな春の一日、桃の花が咲き乱れる中、のどかに草を喰む馬の姿です。今年は午年です。 暮れの京都清水寺の書き納めは「戦」であったようですが、今年こそは「戦」をやめて「和」か「平」になりたいものです。
おくれましたが、提訴以来、陰に陽にご指導を賜りました周辺自治体と、変わることなくご声援をいただきました各種団体、町会、各個人の皆さまの弥栄を祈り、心より感謝申し上げて、ご挨拶といたします。
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前進する気構えを |
弁護団長 榎本 信行 |
あけましておめでとうございます。
このところ毎年、年頭に「今年こそは結審だ、判決だ」と言ってまいりましたが、今年はまちがいなく判決があります。3月か4月頃という予測です。裁判官は、今判決を一生懸命書いているところです。何しろ6000人近い原告が参加している裁判ですから、訴訟団の世話役はもちろん、裁判所も弁護団も雑務だけでも大変です。ぜひ、皆さんのご協力をお願いします。
判決については、金銭賠償は一定額程度認められそうですが、どの範囲の原告に賠償が認められるか、悲願の差止請求がどうなるか、など気になることがたくさんあります。
国側は「危険への接近だ」とか「昼間、会社に行っている人は爆音には関係ない」とかいろいろな理屈を言って反論しています。
こうした抵抗を排して、いい判決を書いてもらうよう、最後まで頑張りましょう。
同時多発テロ以来、基地周辺は警備が厳しく、飛行状況も普段より激しいようです。そして、横田基地に対するテロの危険は他人事ではありません。
こうしたなかで、判決に向けて私たちの団結を固めなおしていきたいものです。
判決の日にはたくさんの原告が結集して、裁判所を注視しましょう。
そしてどんな判決が出ても、前進する気構えでいきましょう。
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結審・判決へまっしぐら 各地の基地訴訟 |
各地に広がった大型の基地騒音訴訟は、始まったばかりの新嘉手納基地訴訟を別にして、相次いで結審、判決が予定される今年、さらに運動を広げ勝利に向かって頑張っています。 |
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爆音・戦争追放の先達 新横田基地公害訴訟に「憲法が生きた判決」が! |
第三次厚木爆音訴訟原告団 真屋 求 |
新春ですが「おめでとう!」と申せません。
戦争への途の時の流れの激しさに心が暗いです。
新横田基地公害訴訟の勝利判決で、スカットしたいです。祈っています。 当方、来る1月23日結審、秋ごろ判決です。 他人ごとではありません。
先達に幸いが・・・ |
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み・ん・な・で 力をあわせて |
全国公害被害者総行動実行委員会運営委員長 小池 信太郎 |
重大局面を迎えた新横田基地公害訴訟の勝利をめざし、日夜奮闘されている皆さんに敬意を表します。
東京大気公害裁判も、また、ヤコブ病裁判も、皆さんのたたかいと同様、昨年結審となり、今年が最大のヤマ場となっています。
公害被害者総行動実行委員会は、こうした情勢のもと、「横田」「東京大気」「ヤコブ病」の三つの公害裁判闘争を、中心課題と位置づけ、その勝利めざし取り組むことを確認し、運動を進めてきています。
「力をあわせて公害の根絶を」これは1976年6月、第1回公害総行動が始められたときからのスローガンでした。そして、四半世紀を越えた今日まで、この立場を運動の原点として貫き、引き継い できました。
こうした「力をあわ せて」の運動のあり方 が水俣病の解決や、一連の大気汚染公害裁判 での『連戦連勝』を勝ちとり、国の公害・環境政策に一定の影響を与えるなど、社会的評価を広げてきているところです。基地公害裁判闘争の勝利は、国民的な願い ともなっており、皆様 方のいっそうのご奮闘 と、公害根絶を目指す 協力・共同の運動と世 論を広げ、勝利の展望 を切り開きましょう。 |
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静かで平和な空を返せ |
小松基地訴訟弁護団事務局 弁護士 川本 蔵石 |
新年あけましておめでとうございます。
判決をひかえた新横田基地公害訴訟の皆さんに新年の挨拶と連帯のメッセージを送らせていただきます。
ご存じのように、小松基地訴訟も昨年6月29日に終結し、現在は皆さんと同じように判決待ちの状態です。遅くとも3月中には判決ということになるだろうと思います。
ところで、小松では昭和50年の第一次訴訟以来「静かで平和な空を返せ」をスローガンにたたかいが続けられていますが、国の旧態然とした軍事優先に基づく応訴態度は変わっていません。
それどころか最近では姑息にも賠償金額を下げようとして個別W値論を展開するなど、問題の根本的解決を図ろうとする姿勢は微塵も伺えません。皆さん方のたたかいでも同様だろうと思います。 判決は間近に迫っていますが、「継続は力なり」「団結に勝るものなし」この言葉の意味するところを今一度かみしめ、最後の勝利まで連帯して頑張りましょう。 |
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新横田基地公害訴訟に期待する |
上瀬谷基地返還訴訟弁護団 弁護士 木村 和夫 |
爆音被害の根絶と完全賠償のため闘っておられる皆さまに敬意を表します。
上瀬谷基地返還訴訟は、いよいよ大詰めを迎え、今年5月結審予定、判決は秋ごろになると思われます。
この訴訟は「遊休化した基地を返せ」「米軍住宅建設を許さない」という訴訟で原告は森茂徳さんただ一人ですが、多くの人たちの共感と支援を得て運動は盛り上がっております。 昨年6月には、被告国の執拗な反対を押し切って、たぶんわが国初めての基地自体の現場検証を実現させ、裁判所に原告所有地が通信施設として使用されていないことを認定させるという成果を得ました。
この訴訟を通じていえることは、国の驚くべき対米従属、主権放棄と人権無視の態度ですが、おそらくこれはすべての基地訴訟を通じていえることでしょう。
新横田基地公害訴訟の皆さん方が最後までたたかいぬき、差し止めを含めた完全勝利を得られるよう心から期待します。
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周辺自治体首長から訴訟団への新春メッセージ(順不同) |
<瑞穂町> |
新年明けましておめでとうございます。
航空機騒音のない快適な生活環境の実現に向け努力されている貴訴訟団に敬意を表します。
瑞穂町といたしましても、従来から東京都や周辺市と連携をとり、艦載機飛行訓練の中止、常駐機やヘリコプターの市街地上空での飛行訓練の中止、基地運用に関しての安全確保の徹底などを、米軍や防衛施設庁をはじめとした関係機関に訴えているところであります。
横田基地では滑走路改修工事が昨年10月から本格的に始まったため、米軍機の飛行回数が著しく減少していますが、改修工事完了後は再び騒音が激化することが予想されます。
本年も引き続き粘り強く関係機関に生活環境の改善を働きかけていく所存であります。
年度内にも判決が下されるとのことですが、皆さまのますますのご健勝を祈念申し上げ、新年の挨拶といたします。
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平成14年1月 瑞穂町長 石塚 幸右衛門 |
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<立川市> |
新年明けましておめでとうございます。
新横田基地公害訴訟は、基地周辺住民の方々の騒音被害解消に対する願いのあらわれだと理解しております。
本市といたしましても従来より東京都や周辺市町と連携を取りながら、米空母艦載機飛行訓練の中止、騒音防止対策の推進、航空機事故の再発防止と安全確保の徹底などを、国や米軍に要請しているところであります。 今後も、市民の安全と生活環境を守る立場から、引き続き粘り強く基地問題の解決に向けて取り組んでまいる所存であります。
年度内にも判決が下されるとのことですが、皆さまのご健勝とますますのご活躍をご祈念申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。 |
平成14年1月 立川市長 青木 久 |
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<福生市> |
新年明けましておめでとうございます。
新横田基地公害訴訟による、航空機騒音のない静かな生活環境の実現に向け活動されている皆さんに対し、深く敬意を表します。
本訴訟につきましては、提訴以来六年が経過する本年、判決が下されるとのお話を伺っております。
当市といたしましても市民の安全と生活環境を守る立場から、常駐機による市街地上空での飛行訓練の中止、艦載機による離着陸訓練の中止等について、国及び基地に対し粘り強く要請を行ってまいりました。
今後も引き続き基地に起因する様々な騒音等の軽減について、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会とも連携を図り要請していく所存でおります。年頭に当たり、皆様方のご多幸をお祈り申し上げます。
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平成14年1月 福生市長 野澤 久人 |
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<武蔵村山市> |
新年あけましておめでとうございます。
新横田基地公害訴訟団の皆さまの日頃の活動に心から敬意を表します。 武蔵村山市では、市民の安全と生活環境を守る立場から、東京都や周辺市町と密接に連携し、航空機騒音の解消をはじめとする基地に関する諸問題の解決に向け取り組んでおります。
平穏で安全な生活を営むことは、市民共通の願いでありますので、今後とも、東京都並びに周辺市町と連携し、基地に関する諸問題の解決に向け、最善の努力を続けてまいる所存であります。 年頭にあたり、皆様方のご健勝をご祈念申し上げます。 |
武蔵村山市長 志々田 浩太郎 |
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<昭島市> |
新年明けましておめでとうございます。
航空機騒音のない「静かな夜」をとの願いのもと、良好な生活環境を求め、この6年間、日夜ご活躍されている貴団に対しまして、深く敬意を表する次第であります。
今年度中にも判決が下るとのことでありますが、貴団の皆さまのこれまでのご努力が実を結びますよう切に願っております。
本市といたしましても、引き続き市民の皆さまの安全と生活環境を守る立場から、東京都や周辺市町とも連携をより密にして、騒音被害の解消に向け、最善の努力をしてまいる所存であります。
年頭にあたり、貴団の所期の目的達成と団員の皆さまのご健勝とますますのご活躍をご祈念申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。 |
平成14年1月 昭島市長 北川 穰一 |
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<羽村市> |
新年あけましておめでとうございます。
横田基地周辺地域の「静かな夜と住み良い生活環境」の実現のために、日夜ご尽力を続けられている皆さまのご活躍に敬意を表します。
羽村市では、市民の安全と生活環境を守る立場から、従来より「横田基地対策に関する東京都と周辺市町連絡協議会」を通じて、国及び在日米軍に対し、横田基地対策に関する要望を行い、航空機騒音の解消、空母艦載機による飛行訓練の全面中止等について申し入れ、基地周辺住民の生活環境改善のための努力を重ねております。
本年につきましても、引き続き関係機関との連携を密にし、基地に起因する諸問題の解決に向けて最善の努力を重ねてまいる所存です。
訴訟団におかれましては、本年もますますご健勝にてご活躍されますことをご祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。
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羽村市長 並木 心 |
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<日野市> |
新年あけましておめでとうございます。
年の初めにあたり、すべての人々が不安や新しい脅威から解放され、安心して暮らせる平和が築かれることを祈ります。
日野市は、戦争を決して許さず、平和が市民生活の基本であるという日本国憲法の理念のもとに、「核兵器廃絶・平和都市宣言」をし、平和運動の支援と国際交流事業を行ってきました。
将来にわたり、平和で住みよい生活を守るために、新横田基地公害訴訟に参加された市民の皆さんの切実な願いが実現されますよう祈念いたします。
訴訟団の皆さんのご活躍に期待し、新年のメッセージといたします。 |
平成14年1月1日 日野市長 馬場 弘融 |
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八王子市長より
『今後の推移を見守りたいと思います』とのコメントが届きました。 |
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<埼玉県知事からのメッセージ>
新横田基地公害訴訟団の皆さま、明けましておめでとうございます。
「静かな夜と住み良い生活環境」を目指した皆様方の御活動に対しまして、深く敬意を表します。 私は、知事就任以来、基地問題について、政府関係機関や在日米軍司令部、米国国防総省に要望を行うなど積極的に取り組んで参りました。
今後も、県民の安全と生活を守る知事として、地元市と連携を図りながら、努力を重ねて参りたいと存じます。
念頭にあたり、皆様方の御健勝と御多幸をお祈り申し上げます。 |
平成14年1月 埼玉県知事 土屋 義彦 |
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静かな夜と住みよい生活環境を誇りと勇気と確信をもって |
裁判を起こして6年、やっと判決が目の前に迫ってきました。
そこで、各地域で頑張っている幹事や世話人の方々が集まり、判決を迎えるにあたっての期待、今後の運動のあり方などについて語り合いました。
出席は野田富美子(昭島支部)、上田智二(福生支部)、良岡千春(八王子支部)、樋口恕雄(日野支部)、岡口明(瑞穂支部)、吉田栄士弁護団事務局長の皆さんです。 司会は事務局長の遠山陽一です。 |
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司会: |
お忙しい中、ありがとうございます。
今日は皆さんに判決目前の思いを大いに語っていただきたいと思います。
まずはじめに、なぜ原告になったのかを伺いたいと思います。 |
野田: |
前回の裁判の時には、はじめは勝つか、負けるかぜんぜん分かりませんでした。
「爆音をなくす会」を作り、大阪空港の運動を学ぶために泊まりがけで学習したりもしました。大阪空港は民間で、横田は基地。
そこで『音にかわりがあるじゃなし・・・・』と替え歌をつくり拡げたり、いろいろなことをやりました。
被害を受けている私たち自身が立ち上がらなければ何も解決しないと考えているからです。本当は、基地そのものをなくしたいと、私自身は思っています。 |
良岡: |
当初、旧訴訟18年の運動があり、呼びかけられて参加しました。私たちのところは新しく開発された地域で、環境問題にはとても関心が高いところでした。
それで騒音被害には思想信条の別があるわけではないし、たくさんの人たちと手をつないでやることで立ち上がることにしました。 |
岡口: |
アメリカの基地の騒音訴訟だけに、大それたことだと思いましたが、弁護士の熱心な働きかけもあり参加しました。
そして、最高裁の判決を踏まえてやるのだから、必ず勝てると被害地域の人に何度も訴え、多くの人たちと参加できたことはとてもうれしく思っています。 |
司会: |
被害についてはいかがでしょうか。 |
樋口: |
裁判は初めての経験です。弁護団の先生方の指導が大きかったと思っています。
いろいろな考えを持つ原告がいますが、騒音だけでなく、基地のことについては言わないで良いのか気になっています。 日常的に受けている騒音ですが、現場検証のとき、あらためてそのひどさを思い知らされました。
それは、障害者幼児保育園の保母さんの言葉ですが、忘れられません。『大型機が飛ぶと、子どもたちが怖がって抱きついてくる』
と話していました。 |
上田: |
家の目の前を真っ黒な煙を出しながら大型機が飛んでいます。大型機になると、トラック700台にも相当する排気ガスを出していると聞いたことがあります。
健康上どうなるか心配です。 |
司会: |
では、国の対応など裁判について感じたことをお聞きしたいと思います。 |
岡口: |
裁判を長引かせる国のやり方は犯罪的だと思います。
6000人もいれば亡くなる人だって出てくるのが当たり前です。被害をどうするのかが国の責任ではないでしょうか。 |
良岡: |
八王子は月1回の世話人会をもって、運動を進めています。
裁判が長引いているのはやはり犯罪的だと思います。私たちは普通の生活を営みながらの運動だけど、国側は仕事でやっているんだから。
それに、引き延ばしている意味がよくわかりません。 |
吉田: |
従来にない6000名もの人たちが訴訟を起こしました。その後厚木5000名、嘉手納5500名と続いています。大気汚染訴訟もそうです。
大規模の集団訴訟が多くなり、ここ横田で抑えておかないと、国にとって大変な脅威となります。
どこかでクサビを打ち込み歯止めをかけようと、市民の結束を妨害するためいろいろな手が打たれるようになったと思われます。 |
野田: |
前回の裁判のこともあり、早い判決を期待していました。3年くらいかな・・・・と思っていたので、一日も早い判決を望みます。 |
司会: |
どちらが勝っても控訴は免れないと言われていますが、どうでしょうか。 |
吉田: |
旧訴訟で裁判をやって来た人は当然一審で終わるという認識はないでしょうが、初めての人は勝ったら終わりと思っていることでしょう。
私たちが勝てば、国は必ず控訴することになります。裁判所が被害を認めても、国は認めようとはしないでしょう。 |
良岡: |
控訴すれば国の不当性を知らしめる結果になるのではないでしょうか。
最高裁まで行くのかなあ・・・・・と今は思っています。
また、八王子地域は永住を考えている人が大変多いところです。健康被害の面でも運動できないでしょうか。 |
吉田: |
健康被害は出していますが、どういう人たちが認定を受けるのかの判定が難しい面もあります。 |
司会: |
被害救済を求めて「訴訟」という方法で運動をしてきましたが、こうしたことで何か感じていることがありましたらお聞かせ下さい。 |
岡口: |
裁判は勝つと思ってやっています。
30万人の人たちが騒音被害地域に生活しています。この人たちと被害を共感できるのだからすばらしいことだと思います。
障害者は家に居ることのほうが多いですが、瑞穂で原告になってと訴えに行ったとき、ある障害のある婦人と会いました。その方は入りたいとの意思でしたが、家族に支えられて生きているため、家族の同意が得られなければだめと無念そうに話してくれました。
日中、家族はこの地域にいないので、騒音に対する認識が甘いのではないかと思いました。 |
樋口: |
訴訟団有志と沖縄に行って、基地の原点を感じました。嘉手納とジュゴンのいる名護で実感したわけですが、判決が出ても、基地がある以上問題が残るのではないでしょうか。
この訴訟は、毎日の生活を守る運動だと思いますし、内容を理解してもらえればもっと大きな輪になり力を発揮できると思います。
もう6年も過ぎてしまったのかというのが実感です。
裁判というものを地域の原告ひとりひとりに伝え切れていないように思っています。
初心に返って説明会など行いたいと思いました。 |
野田: |
被害は広い地域にわたって受けているわけですが、騒音の「線引き」にはずれた人たちが、原告になれないと大変悔しがっていました。 |
良岡: |
旧訴訟の人たちの成果を皆さんに伝える歴史的な運動に参加できているんだと『意気高く、粘り強く、楽しく』のスローガンのもと頑張っています。
自分を大切にするということが、とりもなおさず他の人も大切にすることができるということではないでしょうか。
結審の時、最終陳述で道理ある判決をいただきたいと述べました。
まわりの人も道理のある裁判だから支持するし、応援もすると言ってくれます。 |
上田: |
石原都知事は横田基地を民間の空港として使わせると言っていますが、騒音や、排気ガスがひどくなります。
こうしたことも見過ごしてはいけないと思います。 |
樋口: |
私たち原告にとって、判決が一つの区切りになり、被害者である立場を再認識する機会になるのではないでしょうか。
私個人としては、長くたたかえるエネルギー源にしたいと思っています。 |
司会: |
最後になりましたが、弁護団に対する質問やご意見がありますか。また、弁護団から訴訟団へのご意見はありますか。 |
吉田: |
私たちも訴訟団幹事の人たちとは接触がありますが、個々の原告の皆さんはどう思われているでしょうか。 |
良岡: |
月1回の世話人会には松浦先生が毎回出席され、色々な交流のなかで人間性にふれることができています。 |
司会: |
様々な会合に都内から駆けつけてもらったり、幹事会では土橋先生より弁護団会議の詳しい報告があり、まあ訴訟団、弁護団、いい関係にあるのではないでしょうか。 |
吉田: |
何より6000人の人たちを組織していることに誇りを持ってほしいですね。
昨年のシンポジウム、街へ出ての署名活動、いろいろな団体への働きかけ、秋のつどいなど、いろいろ頑張ってきました。
また、事務所を維持し、経済的にも支え合っていることなどは誇れることだと思います。他の訴訟団は「横田に続け」とやっています。
市民と手を結んで大きな運動を展開していることに、韓国の弁護士も新鮮な驚きと話していました。
皆さん確信にしていきましょう。 |
司会: |
本日はありがとうございました。 |
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『スクラム組んで』 |
〜弁護団のホープを紹介します。〜 |
一審判決の年を迎えて 弁護士 松浦 信平
ようやく第一審判決の年を迎えました。ここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。 日本裁判史上最大の原告数で挑んだこの裁判、国もあらゆる手を使って早期結審に抵抗してきました。
これに対し私たちは、陳述書づくり、「危険への接近論」への反撃、住民移動状況調査など、ひとりひとりが持てる力を出し合って地道な作業を積み上げ、判決を展望するところまで歩いてきました。
「ひとりの力は小さいが、一人が一歩を踏み出すところから始まる。一歩を踏み出した人々が力をあわせ、大きな流れができる・・・」これを体現しているのが私たちの裁判だと、振り返ってつくづく実感します。
まだまだたたかいは続くでしょう。どのような判決が出ようとも、誇りと自信を持ち、互いの力を出し合って、前進したいと思います。
実りある一年にしましょう。今年もよろしくお願い申し上げます。 (まつうら しんぺい)
追い風を我がものに 弁護士 犀川 治
訴訟団の皆さま、新年あけましておめでとうございます。
今年はいよいよ、判決です。
判決日が今年になったのは、被告国の姑息な裁判引き延ばし作戦の結果と言えます。国は、多額の賠償金の支払時期を遅くすることが国の得になると思って裁判の引き延ばしを図ったのでしょう。
しかし、この作戦が必ずしも国にお得であるとは言えません。露骨な引き延ばしを目の当たりにして、裁判所が感情を害したことは確実です。
また、ニュースなどでご存じの通り、ここ一年ほどの間に、国の責任を厳しく問う判決が相次いでいます。それらの判決は、本件の裁判所が、国に対する厳しい判断をするための追い風にこそなれ、向かい風にはなることはありません。
そして、国の作戦は、原告訴訟団と弁護団を憤慨・奮起させ、結果的にその結束を高めてしまいました。
こう考えると、引き延ばしは国にとっては愚策だったとも言えそうです。引き延ばしたことを国が悔やむような判決を我々は期待しましょう。 しかし、我々が期待した判決が出た場合には国は控訴することでしょう。そうです、今年は控訴審での戦いが始まる年でもあるのです。
皆さん、今年もふんどしを引き締めてがんばりましょう。 (さいかわ おさむ)
サッカーと軍用機 弁護士 加納 力
あけましておめでとうございます。
横田訴訟の判決以外の今年最大の話題といえば、やはりサッカーW杯でしょう。
フーリガン対策ばかりかテロ対策も課題とされている現状では、戒厳令下の大会になってしまいそうで、ファンとしては期待半分、不安半分の複雑な思いです。
中学生の頃サッカー部に所属していた私は、横田基地内のチームと友好試合をする機会がありました。私たちにははじめての「国際試合」です。会場は横田基地内でしたが、グラウンドが確保されておらず、滑走路脇の雑草地での試合となりました。
今ほどサッカーが注目されていない時代、まして野球やアメリカンフットボールの本場の国では、足首が隠れるほどの雑草に足を取られて転倒者続出でも、試合会場があっただけ良かったというものです。
しかし困ったのは離着陸する軍用機でした。何しろ滑走路のすぐ脇ですから、離着陸ごとに試合は中断して避難せざるを得ません。
息を切らして見た低く飛ぶ機体の鈍い色は、今も目に焼き付いています。 (かのう つとむ)
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飛 行 機
ゴーゴー
飛行機が
校しゃのま上をとおって
地めんがひびく
耳がはれつしそうだ
あわてて耳をふさいだ
校ていがシーンとした
体全体が
力がぬけて しびれた
飛行機が
校しゃのかげにかくれた
また にぎやかな校ていだ |
(30数年前に拝島二小4年生が書いた詩ですが、今もこのままの校庭です) |
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