新横田基地公害訴訟団ニュース

第6号  (1996年 2月 5日)
「静かな夜」と「住み良い環境」をめざして
3000人の原告団で結成総会の成功を


2月11日(日)午後1時半開会        福生市民会館小ホール
結成総会に家族ぐるみで参加しよう
「静かな夜を返せ」「住み良い生活環境をつくろう」と横田基地の爆音被害に苦しむ住民が、新しい裁判を準備してきました。
昭島、福生、八王子、瑞穂、羽村で新訴訟団準備会を結成し、立川、武蔵村山、日野、入間、飯能市の九市一町のすべての地域の住民が、原告になりました。現在約2000名の原告となりましたが、2月11日の「新訴訟団結成総会」までには、何としても3000人の原告団をつくり、4月中旬の提訴までに、5000人の原告団にしましょう。
1月4日NHKのニュースでは、「今度の新しい訴訟は、日野、八王子、瑞穂などの新しい住民が参加していること、アメリカを被告とすることなどが注目される。」と報道していましたが、まさにその通りです。
横田基地周辺の自治体やマスコミも大きく注目しています。
新しい運動の第一歩として、結成総会を訴訟団に参加されたすべての皆さんが家族ぐるみで出席され、盛大に成功させることをお願いします。


新訴訟団の事務所ができました
岡田美智子さんが常駐しています。

1万人のマンモス訴訟団をつくり運動を発展させるために事務所をつくり、事務員を配置しました。
事務所は八王子から飯能までの原告の皆さんが來所しやすいようにJR拝島駅北口より徒歩三分の所に設置しました。20名位までの会議は十分に可能です。是非、有効に活用してください。
専従事務局として、岡田美智子さんががんばってくれています。岡田さんは、立川の上水幼稚園の先生でしたが、廃園のため退職、新横田基地公害訴訟の意義を受け止めていただき勤めていただきました。平日10時から5時まで常駐しています。よろしくお願いします。


 
正月の三が日の飛行回数 湾岸戦争時を上回る
横田基地の正月三が日の飛行回数が、湾岸戦争時(91年1月)を上回り、この6年で最高に達していたことが、わかりました。
昭島市の騒音測定などで明らかになったもの。
同市の拝島第二小学校に設置してある飛行騒音測定によれば、1月1日に11回、2日に18回、3日に45回の飛行を確認しています。これは過去6年間で最高の飛行回数です。騒音データなどはまだ明らかになっていません。
昭島市など周辺五市一町の首長で作る横田基地周辺市町基地対策協議会は昨年12月に、在日米軍司令部、日本政府に「騒音のない静かな正月を過ごしたいと心から願っている」として正月三が日の飛行停止を要求してきました。しかし米軍は今年も、こうした住民の切実な願いを無視し湾岸戦争時をも上回る米軍機の離着陸訓練を強行しました。


瑞穂・羽村地域で訴訟団準備会結成
新横田基地公害訴訟瑞穂、羽村準備会総会が28日、瑞穂町の町民会館で50人の参加で開かれました。
横田基地北側地域での初の準備会結成となります。清水さんの司会で、松谷政美さんが呼びかけ人を代表して「沖縄で大田知事や県民が頑張っているのに東京は何をやっているんだと云われないようにこれからも皆さんと一緒に新訴訟の運動を盛り上げてゆきたい」と挨拶。福生の高木さん、昭島の堀さん、八王子の小板橋さんが連帯の挨拶。東京土建西多摩支部、都教組瑞穂地区協、西多摩労租連など地域の組合関係者も連帯の挨拶。瑞穂町の教員は、「授業中生徒が発言しているときに騒音で耳がかき消されてしまう」「一生懸命練習して覚えた演劇を航空機の音が台無しにしてしまう。など、子供たちに及ぼす影響を訴えました。
吉田栄士弁護士から、「これまでの成果と今後の展望」について報告があり、瑞穂の山口義郎代表世話人をはじめ、9人の世話人を選出しました。羽村代表の林久仁恵さんが「朝6時からエンジンテストではたまらない、被害住民が力を合わせて頑張りましょう」と決意を表明しました。
最後に岡口さんの提案でアピールを採択し閉会しました。


いよいよ裁判へ
弁護団準備会事務局長  吉田 栄士
原告参加の運動を各地で始め、今年はいよいよ裁判を起こす年です。弁護団では訴状を完成しました。
今回の裁判はアメリカも相手にするわけですので、訴状も英訳し、英文と日本文のものを提出することになります。
昨年フランスは南太平洋で核実験をしました。
これに反対する団体が実験場近海でだ捕されました。捕まったアメリカ人のグループは、昨年10月アメリカ本国で、フランス国を相手に損害賠償の裁判を提訴しました。
このような例もあります。私たちの裁判はやはり的を射た裁判です。
昨年12月25日、小松基地周辺の住民は千六百人以上の原告で新しい裁判を起こしました。
翌26日、東京高裁で厚木基地第一次訴訟の差し戻し判決が出されました。
差止めについては認められませんでしたが、損害賠償については認められました。これですべての裁判で損害賠償が認められたことになります。空港公害訴訟は、小松、横田、嘉手納、厚木とありますが、より規模の大きい裁判の時代に移ります。
新しい時代を切り開く裁判がこれから始まります。これからも一緒に頑張りましょう。


 
沖縄で連帯集会開催 基地の縮小、地位協定見直しを
【準備会事務局池田吉人記】
米兵の少女暴行事件の怒りに燃える沖縄で1月15日、本土参加者4000人を含む8000人が与儀公園に集い、「沖縄のたたかいを全国へ。日本の主権と平和を守る沖縄連帯集会」が開かれました。
沖縄の面積は、全国の0.6パーセント。この狭い島に在日米軍の75パーセントの施設が集中しています。
沖縄の米軍基地は、民有地が三分の一を占め、これらの土地は、銃剣とブルドーザーにより強奪された土地が基地につくりかえられたものです。
嘉手納、普天間基地の爆音被害で47万人が被害を受けています。
嘉手納基地公害訴訟原告団の皆さんも私たちとともに対米訴訟に参加する予定です。
「沖縄に未来を考え、基地のない沖縄を次の世代に残したい」といった大田知事の考えは多くの県民に支持されています。
デモ中に高校生から頑張ってくださいとの声援が飛びました。ガイドさんも「沖縄の基地のホームページは横田基地」と言っていました。「新訴訟」が沖縄県民の励ましになると感じました。
何としても多くの原告を集め、訴訟を成功させたいと思います。


検証横田基地B 燃料もれ事故
93年10月25日、横田基地でドラム缶340本にあたる68キロリットルの航空機燃料が漏れ出していることが発覚しました。
地元市町村の、立ち入れ検査の再三の申し入れはいまだに拒否され、事故の最終報告書は2年もたった昨年12月にやっと外務省を通じて提出されました。
遅れたのは報告書だけではありません。日本側への第一報そのものが、事故後4日も遅れていたのです。さらに防衛施設庁から、周辺自治体への連絡は、事故から10日以上たってからでした。
事故が第374空輸航空団の演習と重なっため、事故を公表するより軍事演習の続行を優先したのです。
こうした米軍の態度に対し日本政府は、抗議するどころか、「思いやり予算」で燃料貯蔵庫をあらたに2基、2億4千万円もかけて建設中です。
地元自治会の一つ昭島市は、住民の飲料水を、100%地下水に依存しており、環境への影響が懸念されています。


中村秀示弁護士のご冥福をお祈りします
囲い記事
横田基地公害訴訟弁護団、新横田基地公害訴訟弁護団準備会の中核として特に瑞穂、入間、飯能地域の担当弁護士として、活動されてきた三多摩法律事務所の中村秀示弁護士が、1月21日に逝去されました。9年前に弁護士になりエネルギッシュに新訴訟に取り組んでいましたが39歳という若さで他界されたことは実に残念無念です。ご冥福をお祈りします。


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