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第16号 (1997年 7月 7日) | |
第3回裁判を傍聴しよう | |
「静かな眠れる夜と住みよい生活環境」を求め、6000人という日本裁判史上最大の原告団が国とアメリカを相手取り起こした新横田基地公害訴訟の第3回裁判が、7月10日(木)午前10時より東京地裁八王子支部401号法廷で開催されます。 今回の裁判は、裁判官3人のうち裁判長も含め2人の裁判官が交代したため、あらためて榎本弁護団長と3人の原告の冒頭陳述が行われます。 新しい若い裁判長に交代して最初の裁判を成功させましょう。 訴訟団では、裁判の傍聴にできるだけ多くの原告がかわるがわる参加する事を重視してい ます。 年6回の裁判として、すべての原告が傍聴するには4年ちかくかかる大原告団です。各支部ですべての原告に声をかけ、順番で参加するようよびかけましょう。 日本裁判史上最大の原告団が日米両政府を相手取り起こしたこの裁判をマスコミも注目しています。今回の傍聴席80席を満杯にして、裁判官に被害の深刻さを訴えましょう。 |
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今後の裁判の進行について | |
弁護団事務局長 吉田 栄士 | |
現在裁判は、八王子支部の第1次、第2次裁判、そして東京高裁の対米訴訟の3つです。 対米訴訟はこれから高裁の審理に入ります。 これまで論じられていない分野の裁判ですが、学者の意見なども出し、私たちの研究成果の集大成である書面も提出しました。これからは運動を盛り上げていくことが重要になります。対米訴訟はいよいよ本番です。 八王子支部の裁判は、これから本格的になってきます。これまでの騒音訴訟で負け続けている国側の態度はきわめて及び腰です。 前回は詳細な内容の書面を提出しました。国が消極的ですので、今後も私たちがこの裁判をリードしていくことになります。 これからは立証段階にはいります。特に重要なものは原告の被害をのべた陳述書の作成と、現場の騒音検証です。陳述書の作成には時間がかかるのでしょうが、弁護団と訴訟団の協力で円滑にすすめたいと思います。これらの内容については、七月の弁護団合宿で詳細を決定します。 弁護団は、本職の裁判にはいったということでやる気十分です。陳述書取りで皆さんとのつながりもこれまで以上に密接になりますのでよろしく。 |
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2つの署名を集めましょう | |
訴訟団として広く国民に訴え、世論を盛り上げアメリカを日本の裁判所に呼び出すために署名運動に取り組んでいます。 5月29日と6月2日に裁判所に第1次分個人署名5073人分を渡しました。 引き続き団体署名百、個人署名7000の目標で取り組みます。 東京高等裁判所宛てと東京地裁八王子支部宛ての個人署名と団体署名の2つの署名を大々的に集めましょう。4月にお送りした署名を7月20日までに訴訟団事務所または各支部世話人までお届けください。 |
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訴訟団結成1周年の集い開催 | |
5月18日瑞穂町スカイホールで、新横田基地公害訴訟団結成1周年の集いが開催され、訴訟団、弁護団、来賓100以上が参加しました。 山口義郎代表幹事、榎本信行弁護団長のあいさつのあと、前田寿夫元防衛庁安全部長より、「国際情勢と横田基地」という演題で講演があり、その後、吉田栄士弁護団事務局長より、「新横田訴訟の現状と裁判の現状」角谷信行訴訟団事務局長より、「新横田基地公害訴訟団の活動について」報告がありました。その後、第一回口頭弁論で陳述した七人の原告より陳述を再現するかたちでの発言があり、小板橋稔市長代表幹事の閉会のあいさつで終了しました。 結成1周年の集いには、東京都知事、立川、昭島、福生、羽村、武蔵村山、日野、入間、飯能市長、瑞穂町長、東京土建西多摩支部から、メッセージが寄せられました。紙面の関係で埼玉県知事のメッセージを紹介します。 |
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埼玉県知事の訴訟団へのメッセージ | |
新横田基地公害訴訟団「結成1周年の集い」の開催にあたりひとことご挨拶申し上げます。 横田基地の騒音問題については、これまで渉外関係主要都道府県知事連絡協議会(渉外知事会)や、県と関係市長で構成する埼玉県基地対策協議会などを通じて、外務省、防衛庁等関係機関に夜間・早朝・日曜日などの飛行の原則中止や市街地上空での飛行及び離着陸訓練の制限などを要望いたしております。 さらに、私は知事就任以来、在日米軍司令部や米国防総省を直接訪ね、基地の整理・縮小や騒音問題について、強く要望を行うなど積極的に取り組んできたところでございます。 私といたしましては、今後とも、地元市と連携をはかりながら、航空機騒音問題の解決にむけ努力をして参りたいと存じます。 おわりに、この問題の早期解決と本日参加された皆様方のご健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。 |
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平成9年5月18日 埼玉県知事 土屋 義彦 | |
八王子支部が結成1周年集会を開催 | |
八王子支部では、5月22日(日)に宇津木台町会会館で、「支部結成1周年報告集会」を開催しました。集会には、訴訟団、弁護団から約30人が参加しました。 集会ではまず坂下代表世話人から「この間の支部活動に確信を持ち引き続き『意気高く、粘り強く楽しく』頑張っていこう」とのあいさつのあと福井本部代表世話人、山口市議会議員、鈴木久保山町会長、反町団地自治会長から連帯のご挨拶をいただきました。 続いて弁護団八王子支部担当の松浦弁護士から、昨年の訴訟団結成以降の弁護団の活動報告がされ、法廷における弁論が前訴訟の蓄積のうえにたったものであること。今回の裁判では「米国を法廷に出廷させる。」などあたらしい課題を提起していることなど訴訟の現状と今後の課題について報告されました。 良岡支部事務局長からは、「活動報告と活動方針」が報告され、今後の裁判の傍聴、八王子市の理解と協力を得る活動の強化、団員の親睦と交流を深めていこう、との方針が確認されました。報告集会のあと、親睦会に移り、弁護団・訴訟団の交流を行いました。 最後に真瀬宇津木台自治会元会長から、「裁判勝利のため弁護団とともの頑張りましょう」とのあいさつで閉会しました。 |
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弁護団二度目の訪米へ | |
新横田基地公害弁護団は、6月21日から28日にかけて、対米訴訟の応訴を求め訪米しました。 訴訟団、弁護団は昨年9月も訪米しており、今回の訪米は2度目になります。 また、弁護団は十七日東京高裁に対米訴訟に関する準備書面を提出しました。 米政府が横田基地の米軍機飛行が違法なものでないと考えるならば、東京の裁判所で正々堂々と意見をのべるべきです。 訴訟団は引き続き訪米の成果を受け、米政府に裁判に応じるように求めていきます。 歩米の成果などは、次回以降のニュースでお知らせします。 |
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外務省交渉のこと | |
代表幹事 福井 弥助 | |
さる6月2日、全国環境会議の一環として、恒例の外務省交渉を沖縄の「嘉手納米軍基地爆音防止住民共闘会議」(原告団907名福岡高裁で係争中)の代表2名を含め、当訴訟団・弁護団15名で外務省に要請に行きました。 対応者は、北米局安全保障条約課の外務事務官佐々木氏ほか2名で、従来常に1名であったのに比べるといくらか真剣になってきたのかなあと思えました。 時間も40分の予定が1時間半に至りました。「夜9時から朝7時までの夜間飛行の禁止」「協議機関の設置」「アメリカの応訴拒否の口上書についての見解を求めたのに対し、外務省の回答は、「1993年の日米合同委員会の合意を守るように努力している」「安保条約の範囲内での日本国の責務をふまえながら被害の軽減につとめる」「応訴拒否はアメリカの意志によるもので、司法の判断を尊重したい」などでした。 外務省としても極力紛争はさけたいけれども彼らの地位、機能などには限界があり、苦悩の色がうかがえたことは、従来の横着な態度からみるとひとつの収穫でした。 法廷でのたたかいだけでなく、関係自治体の理解と協力も得ながら今後も関係省庁への働きかけを強め、着実に歩を進めたいことを期したしだいです。 |
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